【北アイルランド】ISPSハンダが今年から開催している男女共催のヨーロピアン・チャレンジツアー「ISPSハンダ・ワールドインビテーショナル」の最終ラウンドが、ガルゴルムキャッスルGC(バリーミナ・男子パー70、女子パー73)で行われ、男子はヨーロピアン・チャレンジツアー2勝目のジャック・シニア(英国)、女子は地元のステファニー・メドウ(北アイルランド)が優勝した。優勝賞金額は男女ともに3万6030ユーロ(約425万円)。
最終組から3つ前の組で回っていたマシュー・ボールドウィン(英国)が8バーディ、2ボギーの64で回り通算11アンダーでホールアウト。最終組で回っていたジャック・シニア(英国)も最終ホールでバーディを取り、4バーディ、1ボギーの67。通算11アンダーでホールアウトしたため、2人のサドンデス・プレーオフとなった。
プレーオフ1ホール目は互いにパーで分け、2ホール目へ。ボールドウィンはティショットを左のラフに打ち込み、目の前の木が邪魔になってグリーンを狙えず3打目でグリーンオン。一方シニアは2オンに成功し、シニアはバーディ、ボールドウィンはダブルボギーと勝敗を分けた。
「今年は何度か惜しいところまで来ていたが、こうしてやっと優勝できてよかった。僕は過去に3回プレーオフをしたことがあったけど、3回とも優勝している。プレーオフの方がリラックスできるんだ。勝っても負けてもその1週間はいいプレーをしていたという証拠だし、そう考えればプレッシャーから少し解放されるんだよ。リーダーボードはよく見る方だから、自分が何をすべきかわかっていた。何をすべきかわかれば、ベストが尽くせるからね」
シニアのキャディを務めていたのは、ガールフレンドのベスさん。プロではないが、実力派のアマチュアだ。ショット前には的確な距離や情報をシニアに伝え、優勝に導いた。
また、一方女子は2日目から首位を守っていた地元ポートラッシュ出身のステファニー・メドウ(北アイルランド)。9番でトリプルボギーを叩いたものの、3バーディを奪い、一度も首位を明け渡すことなく優勝。普段は米ツアーで戦う彼女だが、今週は地元の声援を一身に受けながら地元開催の試合でのプレーを楽しんだ。ISPSアンバサダーで世界ランク29位のチャーリー・ハルとは最終ホールまで勝敗がもつれたが、ハルのイーグルパットが決まらず9アンダーでホールアウト。ハルの猛追をかわし、1打差で優勝した。
「勝てて信じられないわ。自国で優勝できるなんて本当に幸せ。ISPSハンダとModest!がこうして北アイルランドの試合でプレーする機会を与えてくれて、本当に感謝しています。今日はチャーリー(ハル)は世界のベストプレーヤーだけど、彼女に勝てて大きな自信になりました。来週はまたアメリカに戻ってLPGAツアーに出るので、現実に戻って練習に励みます。シード権をキープしなきゃね」
そしてシニア同様、今週メドウのキャディはボーイフレンドが務めていた。来週以降もやってほしいか?と尋ねられると
「いえ、1週間で結構よ!(笑)。彼も来週は自分の仕事に戻らなきゃいけないしね。彼とはオフシーズンに一緒にゴルフをしたりするけど、とてもうまいのよ。彼は私のゴルフをよく知っていて、どういうリアクションを取ればいいかわかっているから、やりやすかったわ」
今週の試合は男女ツアー同時共催だったので、夫婦で、あるいは彼氏と彼女が一緒に大会に出場するケースも見られたが、このように夫婦、あるいは恋人同士がキャディと選手として出場しているカップルもいた。通常のツアーでは見ることができない、いろいろな人間模様が見えてくるところに、この大会の意外な面白さもあるようだ。
(2024年10月23-25日開催) ISPS 中山徹記念ゴルフトーナメント