我が子を死産で失った悲しみを乗り越えて……
父から父へと引き継がれる成功の遺伝子。
「父がいなければ、ボクは
ここにはいない」
スポーツ万能で、大学時代はバスケットボールの選手として活躍していたゲーリー・ウッドランド。世界ランク1位のブルックス・ケプカに2打差をつけて全米オープン初制覇。13アンダーで逃げ切り優勝を果たした。
「今まで一生懸命やってきた。素晴らしい人たちにも恵まれて、いつも成功したいと思っていた。今までそれが何なのか、何をしようとしていたのかはわからなかったが、ゴルフに出会って大好きになり、今に至っている」
もともとゴルフではなく、バスケットボールの選手として活躍したいと思ってきた彼の夢は、「バスケットの試合でたくさんシュートを決めて優勝する」ことだったが、ウォッシュバーン大学に入学した1年目、強豪カンザス大学と対戦した時に「レベルが違う。バスケをやめてゴルフに転向しよう」と思ったという。その決断は早かったものの、今時のプロゴルファーたちは幼少の頃からゴルフに慣れ親しみ、大学時代には全米アマなどの世界最高峰の試合に出るレベルの選手ばかりであることを考えると、ウッドランドにはかなりハンデがあるように見える。
「ゴルフに関してはちょっと遅れているかもしれないし、実際ストレスを感じることもあったが、競技に関していえば、ボクはあらゆるスポーツ、あらゆるレベルでずっと戦ってきたから遅れを取っているとは思わない。今は正しい道を進んでいると思える」
バスケット選手を諦め、ゴルフへ進む道を何も言わずに応援してくれたのは父のダンさん。「父は何ごとにおいても強要するようなことはなかった」という。「父がいなければ、そして父がボクをそういう風に扱ってくれなかったら、今のボクはないだろう。父のやり方をボクも息子に受け継いでいきたいと思う」